きれいにし過ぎない

藤田紘一郎さんの「日本人の清潔がアブナイ!」を読みました。

近年の日本人は「ニオイ」「バイ菌」などを極度に恐れ、超・清潔志向に走るがため逆に健康を損なってしまうというのです。

確かに高気密の空間が多く、人口密度が高い都会などでは少しでも体臭があれば周りに不快感を与えかねません。また、近年様々な感染症が流行、人々は予防のため必死に清潔さを追い求めます。

その一方で、超・清潔に育てられた子供は免疫力に大きな影響を与える腸内の細菌が激減していると言います。

詳しくは本書をお読み頂くとして、私自身は目からウロコが落ち、なるほどと納得がいったと同時に「何とか超清潔に子供たちを保護しなければ」と知らず知らず力んでいた肩の荷が降りた気がしました。

このたびの原発事故をうけて、水の買い占めが起こったり、農産物への風評被害など、放射線の影響に怯えるあまりの過剰な反応が取りざたされていますが、これも「汚れたものは一切排除しなければならない」とする神経質さに根ざしているのではないでしょうか。

放射線についてはさておき、私は「界面活性剤」の含まれる洗剤などは極力使わず、重曹や石鹸で間に合わせています。いわゆる「ナチュクリ」というやつです。それは環境を破壊しないためというのは二の次で、皮膚が弱いため強い洗剤をうけつけないのです。ずいぶん色々な皮膚病に苦しみましたが、そういえば皮膚が弱くなったのは、思春期に「いじめ」にあってからなのです。それまでは、私の実家ではお風呂は二日に一度だったのですが、私だけは毎日シャワーを浴びて必要以上に清潔にしていたのです。

むやみに汚れを排除しようとする神経質さは、時に他者を排除する心の動きに簡単につながりはしないでしょうか。世の中きれいなものばかりではなく、雑菌も一役かっているのです。赤ちゃんは泥や埃を食べた方が丈夫に育つかもしれません。少子化の時代、手をかけすぎず肩の力を抜いて育児してきたいものです。

 

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