ハワイアン大強行軍ツアーReport

#001 パスポート事件
何と!
古い方のパスポートを持参していたことがチェックインの段階で発覚。(何だか写真が随分若いと思ったのはそのせい)
自称ツアーコンダクター、信用まるくずれ。

通常、手続きの際にパスポートを使用するため、このような事は起こり得ない。
今回、呼び寄せ便だったため手続きを人にしてもらい、 全くパスポートを開いて見せる事がなかったのだ。
しかも向こうの会社で取ったチケットであるため、変更が効かない。

悪あがきの甲斐も空しく間に合わず。結局、新規で次の便のチケットを購入する。
一人で後から追いかけることになった。風邪をひいて修学旅行に行けなくなったやつの気持ちを今やっと知る。

私のこの手の大ポカには慣れっこになっている家の親が、全く動じない様子で正しいパスポートを手に登場。
出発ロビー構内は閑散。最終便のチェックインをしているのはもう自分くらいしかいない。
空港のそこいら中の係員の皆様にやけに親切にされる。すっかり有名人になっていた。

#002 スーツケース事件

5時間後、なんか「やれやれ」とかいう気分になりながら、ホノルル空港に到着。
現地の気温20℃・・真冬の東京から来たので、セーターを脱ぐ気になれない。
無理矢理Tシャツになってみるが、なんか変な感じ。
入国審査官も皆の~んびりしてる。びびる日本人に日本語で冗談を言ったりする。
しかし、ようやく現地で首を長くして待っているであろう友人に会えると思いきや
今度はスーツケースが待てど暮らせど出て来ない。
係のお兄さんに必死で訴えてみる。こちらはかなり血相を変えていたと思うのだが
やはりの~んびりと冗談を言いながら探してくれる。
すでに無人のバゲージクレームにぽつねんと佇む。
友人はとっても心配しているであろうのを気にしながら待っていると、
どこからか無事に戻ってきた。だれか団体の日本人が間違えて持って行ってたらしい。

 

#003 結婚式

今回のメインイベントである友人の結婚式は、7人乗りリムジンで向かうこと15分
対岸にワイキキを望む海辺の教会で行なわれた。
祭壇は海に向かってガラス張りになっており、夕暮れの海から徐々にワイキキの夜景が
輝き出す風景がちょうど結婚式の背景になるという粋な演出である。
ハワイアンの歌手が御当地ハワイアンウエディングソングを歌ったり。
神父さんもちゃんとバイリンガル。日本語で誓いの言葉を述べてくれる訳だ。
ハワイでの日本人の挙式は本当に多いらしく、滞在中あちらこちらで結婚式を見かけた。
翌日披露パーティーが行なわれ、我々ハワイアン・ウエディング・バンドの出番。
こちらは新郎新婦のビーチを眼下に望むテラス付きのスイートルームで行なわれた。
波の音をバックに(こっそり)演奏。寛いだ雰囲気のパーティーであった。

 

#004 トイレのドア事件

結婚式でのお務めも無事終了し、ハワイ島へ遊びに行く。
ものすごく朝早くついて、チェックインまで暇なので、とりあえずドライブに出発。
この島は四国くらいの広さがあり、雄大な景色が随所で楽しめる。
眼下に途方もない面積で拡がる何もない平野と
その向こうに空まで繋がってみえるかすかな海岸線を望むコースが最高!

ところで途中に小さな村に寄り公衆便所を利用しようとした時に
私達は いつもの習慣で忘れずにポケットティッシュを持参したが、
ないのは紙ではなく「ドア」。
出入りの順番に注意の事。(奥→手前、手前→奥。)

 

#005 密林迷子事件

だんだん疲れがハイテンションに移行してきて調子にのった一行は、当初島半周の予定を変更して一周することにする。
ガイドブックにあれほど口を酸っぱくして「行き当たりばったりのドライブをしないように。」と書いてあるにもかかわらず。
サウス・コハラのカメハメハ大王を見た後、ぐるりと北側を回りカイルア・コナの真裏に位置するヒロに到着。その頃から徐々に雨が強くなって来たが、ヒロというところはそういう気候だとものの本に書いてあったのであまり何も考えずに進む。「レインボー滝」というのがあるので寄ってみると、増水のためレインボーどころの騒ぎではなくなっていた。

Before

After

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてさらに強行軍は行く!東側をどんどん下り、ボルケーノへ。ここはかの有名なキラウエア火山の国立公園であった。しかし本当に前が全く見えない程の豪雨。これでは観光も何もあったモンではない。ただでさえ右側通行でキレかかっているというのに、雨と霧で視界3mくらいしかない。少し休憩した方がいいだろうということで、ボルケーノ村に入ってみる。ところが「地●の歩き●」には確かに存在しているはずなのに、うっそうとした林の中に獣道みたいのが縦横に走っているだけで、公共の建物らしきものが全然出て来ない。ひとしきりそこら中をぐるぐる回ってみようとするが、ちょっと走ると道がどんどんほそくなる。なにやら危険すぎる匂いがしてきた。密林で迷子状態。しかも豪雨で視界3m。

何とか「小屋」のような喫茶店?に辿り着く。いや喫茶店のような小屋だったかもしれない。あったかいお茶や菓子パンにありつく。この際セルフサービスでも何でも良い。分明って素晴らしいって思った。席は何故か外の軒下みたいなところに案内される。豪雨の中でカフェテラス気分を味わえと言うのだろうか?このあたりにはネイティブハワイアンとおぼしき人たちしか働いていないようだった。この時期この界隈では約2ヶ月の雨期の間じゅうずっと雨が降るのだからさぞ大変でしょうね、と店のお嬢さんに話しかけると、「まあ、この時期だけねー・・。」となかば諦めたような力ないコメントだった。

 

 

 

#006 検問
悪夢のボルケーノ・ヴィレッジを後にし、南側をさっさと通過して、今日の宿へ向けてひた走る。天気は西に向かうにつれ徐々に回復してきた。それにしてもラジオは入らないし景色も単調で疲れて来るので、Yさんにホノルルで衝動買いしてワンポイント・レッスンを受けたウクレレの弾き語りをお願いする。「牧伸二」から「森のくまさん」まで、遠足の子供のようにみんなで大きな声でうたいながら、腹をよじりながら走る。ようやく小さな街が見えて来たところで、思い出したようにラジオが鳴りだした。ようやく人里に来た実感を得た感じがしてホッとする。

日が暮れて来た。まだ目的地には程遠い。ちょっと不安になりながら走っていると、前方の車両がみんなでパッシングしはじめる。実はここでお約束のスピードの取締の検問をやっていたのだった。検問とは、何も悪いことをしていないでも何か緊張してしまわないだろうか?小学校の健康診断と同じで。ましてやハリウッド映画で洗脳されてしまっている我々には、アメリカの警察というのはムカッときたら即座に撃たれるとどこかで思っているふしがある。一同どきどきしながら検問所で窓をあける。しかし、

警官「You speak English?」
一同「NO!!」
警官「・・Bye!」

と3秒で終わった。実にいい加減であった。その間、目だけはおそろしい速さで車内をチェックしていた。良かった、ばれなくて・・(?)

 

#007 ダイビング体験コース


ダイビングって、めちゃめちゃきついっすね。ぴちぴちのウエットスーツ着込んで、腰にずっしりウエイトまいて、ボンベ背負って足ひれはいたらそれだけでもうぐったり。さらに潜ってるっていうか、泳いでるわけだから。上手になると力の抜き方も分かるんでしょうけど、私はインストラクターの人に「頑張り過ぎ!」と怒られてしまうほど必死になってしまいました。それにやれ耳抜きだ、水抜きだと、いろいろ肉体の安全保持目的の注意事項も沢山あって、緊張に弱い人なんか大変だろうな。「体験コースだし、すぐ終わるんだろう」とタカをくくって完全に油断し切っていた私達は朝食もとらずに強行軍で疲れ切った体を引き摺ったままのトライ。ビーチでの1本めが終わった時には顔は真っ白、体はへにゃへにゃ。そして悪夢の2本目。訳もわからず器材と一緒に船に詰め込まれ、沖へ向かっていた。船が目的のポイントについて停止すると、止まった拍子に物凄い船揺れが・・もう限界。エメラルドの海にむかって真っ黄色な胃液が落ちていくのを、もう1人の私が遠くから眺めていた・・・。

肝心の海の中はというと、見たこともないおさかなさんがいっぱいいました。野生のうにも。そういうのが好きな人は、たまらんでしょうね。運悪く鯨の鳴き声とやらは聞けませんでしたが、イルカの大群が船の周りに集まって来た時には感動しました。

 

 

#008 マニ&ロイ
ハワイ島最終日・・・ようやく荷造りを終え、翌朝5時の出発に不安を覚えつつも、近所のバー・ライブを見に行く。夜遅いこともあってかお客さんも殆どおらず、数人の常連さんがクダをまいている(?)天気が良くなく、普段は潮騒が素敵な店なのだろうが海が荒れているので暗い雰囲気。今日の出演はギターとベースのデュオ。ライブが目当てでわざわざ来るなんて珍しいのだろう。しかたなしに重い腰を上げて最後のステージを始めてくれる。どちらも良い年のおじさんで、この道何十年といった感じ。こんなのどかな島では力む必要もないだろう、しかしやはり確かなJazz Nativeのセンスが感じられる。渋い演奏ながらも、若い頃のパワーを彷佛とさせる。何気なく7弦ギターをあやつっている。リズムマシーンを巧みにバッキングさせていた。旅の最後に良いものを聴けて我らは御満悦。

30分のステージはあっと言う間に終了。帰るまぎわに「今日は良いものを聴かせてくださってありがとう」と話しかけると、彼らは予期せぬ賛辞を受けたというように驚きと喜びで目を輝かせた。プレイヤーにとっては客からの反応が一番嬉しいのである。彼らの地道な何十年に思いを馳せる。同行のギタリストが7弦ギターについて質問すると、さらにプレイヤーどうしギター談議が盛り上がる。お互いに名前を教えあい、友達になる。年齢差が友情の妨げにならない国である。音楽は世界共通語。「いつかまた聴きにくるね。」「いや、おれたちが東京に行くよ。」我々には外の嵐のような海の声もまったく聴こえないくらい暖かな気持ちにつつまれていた。
かくして、ハワイでの一週間は過ぎ、帰りはパスポートも忘れず、滞りなく、無事に帰国しましたとさ。

どんなに悲惨な思いをしても、旅は最高!やめられません。

 

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